全国の自治体トップ・職員・議員に贈る
自治体の"経営力"を上げる情報サイト

東京都豊島区 /香川県三豊市 の取り組み

「運動・栄養・睡眠 」の統合プログラムで健康寿命延伸を支援する

認知機能低下の予防対策

「運動・栄養・睡眠 」の統合プログラムで健康寿命延伸を支援する

厚生労働省の推計によれば、平成37年には高齢者の5人に1人が認知症患者になるという。その前に自治体はどう対応すべきか。そこで認知機能の低下を予防する目的で教室を開催した東京都豊島区と香川県三豊市、実際にプログラムを開発したルネサンスに、具体的な対策について聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.3(2015年9月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

――豊島区は認知症対策にどのように取り組んでいるのですか。

 直江 現在、区内には5700人の認知症の方がおり、10年後には7000人を超えると推定されています。 豊島区の特徴として一人暮らしの高齢者が多いために、認知症の方を地域で支える仕組みづくりが急務です。

 その一環として、本年2月に「豊島区認知症戦略7つの柱」をうちたてました。高齢者やご家族の相談にのる区内8ヵ所の「高齢者総合相談センター」の職員を増員するとともに、各センターを統る「基幹型センター」を設置。「認知症支援コーディネーター」を配置して、認知症の早期発見、早期対応を強化しています。このほかにも医療関係者、介護事業者等との連携強化や、認知症の方とそのご家族、地域住民が交流を図る認知症カフェの拡充など、多角的に認知症対策に取り組んでいます。

 また、一人暮らしなどで特に支援が必要な高齢者に対しては、定期的にご自宅を訪ねお声をかける見守り支援事業なども実施しています。

―ほかにも取り組んでいることがあったら教えてください。

 能登 地域で支える仕組みづくりと同時に、認知機能の低下を予防することや、認知症になってしまっても重症化しないようにすることがこれからは重要になってきます。昨年度は経済産業省の「健康寿命延伸産業創出推進事業」の実証事業として、65歳以上の住民の方を対象に、認知機能低下予防の教室が区内で実施されました。区としても積極的に協力し、認知症予防に一定の効果があったとの報告を聞いております。

 今年度は、70歳を迎える方々に認知症予防のための講演会を開催し、また、9月からは昨年度の実証事業での内容を基本とした教室を実施いたします。75歳になると急に身体能力が落ちるというデータもあるので、早期介入、早期対策は大いに意義があると思います。

同じ年齢同士が集い 新しいつながりがうまれる

―認知機能低下予防の教室ではどういうことをするのですか。

直江 脳活性化トレーニングと有酸素運動の実践、適切な食事・睡眠の習慣化を図る統合型プログラムの教室です。

―どのような効果を期待しますか。

能登 認知機能低下予防はもちろん、同年齢の人が集い、隣り合った同士が仲良くなるなど、新しいつながりができることを期待します。教室が終了してもそのつながりが続いて、それが地域でお互いに支え合う土台になっていってほしいと思っています。

「先手の福祉」充実を掲げ 認知機能予防に取り組む

 三豊市の高齢化率は33.1%。国の高齢化率25.6%を上回る高齢者が多数を占める地域だ。同市は「先手の福祉」充実を医療・健康・福祉行政の軸に掲げている。昨年夏、その一環として市内のスポーツ施設の指定管理者代表企業・ルネサンスが、経産省の委託事業として豊島区とともに、統合型プログラムの教室を実施。事前の案内を兼ねた認知症に関する講演会には500人の住民が集った。

 住民に「認知症になったら困ること」をたずねたところ「クルマの免許を返さないといけないこと」という回答があった。自家用車がなければ暮らせない地域特性と、それゆえの認知症予防に対する関心の高さがうかがわれた。

 抽選で選ばれた57人は週1回の教室に参加。両手両足を使ったジャンケンや、連想ワードを口にしながら行うボール渡しなど、「脳に刺激を与える運動」と有酸素運動に挑戦。また、睡眠時間やその質、食事の内容なども専門家の指導を受けて記録。記憶力を鍛えるために1日前を思い出しながら日記もつけた。その結果、教室終了後の認知機能テストで改善がみられた。

 参加者からは「普段から頭や身体を使うようになった」「楽しかった」との声が寄せられた。今夏からはこのプログラムを取り入れて、住民団体が事務局を務め、スポーツ施設を管理する市内のNPO法人メンバーが指導する健康教室を開催。民間が主体となって認知機能低下予防に取り組んでいる。

東京都豊島区データ

人口 28万111人(平成27年8月1日現在) 
世帯数 17万1,042世帯(平成27年8月1日現在)
予算規模 1,113億9,600万円(平成27年度当初)
面積 13.01km²
概要 東京23区の西北部に位置する特別区。人口密度は日本一である。昭和7年に巣鴨町・西巣鴨町・高田町・長崎町が東京市に編入、4町の区域をもって豊島区が発足した。昭和18年に東京都制施行により東京都豊島区となる。昭和22年には地方自治法施行により特別区となり、市に準じた自治体に。ソメイヨシノ発祥の地。「おばあちゃんの原宿」として知られる巣鴨、夏目漱石、永井荷風など多くの著名人が眠る雑司ヶ谷霊園にはたくさんの観光客が訪れる。

香川県三豊市データ

人口 6万5,601人(平成27年8月1日現在)
世帯数 2万3,341世帯 (平成27年8月1日現在)
予算規模 358億9,000万円 (平成27年度当初)
面積 222.71km²
概要 三豊平野という広い平地に恵まれ、昔から重要な農耕地だった。昭和30年代に県下全体で工業化が推進され、詫間港周辺では、臨海工業地帯としての整備が進められた。昭和56年には仁尾太陽博が開催され、これをきっかけに、周辺は海洋レジャーの拠点としても脚光を浴びる。平成18年1月、文化や生活において関係の深かった山本町、豊中町、財田町、高瀬町、仁尾町、三野町、詫間町の7つの町が合併し「三豊市」が誕生した。

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

自治体の取り組みを探す

課題から探す
地域から探す

自治体通信

自治体通信

自治体通信は経営感覚をもって課題解決に取り組む自治体とそれをサポートする民間企業を紹介する情報誌です。
自治体関係者の方に無料配布しております。

自治体通信への掲載・取材希望の方

自治体通信編集部では、「自治体の"経営力"を上げる」というテーマのもと紙面に登場いただける自治体関係者・自治体支援企業の方を募集しております。

pagetop