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福島県 の取り組み

経産省時代の経験を活かし自治体と成長する中小・ベンチャー企業をつなぐ

株式会社ベンチャーラボ 代表取締役 山中 唯義 / 支援自治体:福島県

経済産業省を退官し、中小企業の事業性評価・成長性評価・広域ビジネスマッチングの強みを活かし、民間の立場から福島県の経済復興を支援しているベンチャーラボ。代表の山中氏に、同社のこれまでの実績、ベンチャー支援の想いなどを聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.1(2014年9月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

600名以上の技術の目利きのプロが協力

―事業内容を教えてください。

 技術や特許、企業の成長性などを第三者の立場で客観的に検証する評価業務を主軸に、あわせて製造業を対象にしたビジネスマッチングや新産業ベンチャーを対象にしたファンドによる資金提供などを行っています。
 実績面では、経済産業省や文部科学省といった中央省庁、大分県、鳥取県、浜松市などの地方自治体や福島県の第一地銀である東邦銀行など、地域金融機関などから多数の業務を受託しています。

―山中さんは経済産業省の官僚だったそうですね。なぜ、退官してベンチャーラボを設立したのですか。

 日本ではいい技術が生まれても、それを組織的に認知するのは難しい。そのことを新エネルギー・産業技術総合開発機構の現場責任者を務めていた当時に痛感し、より精緻に技術評価できる仕組みをつくれば経済活性化に貢献できるのではないかと考え、退官して当社を設立しました。

―それは、どのような仕組みなのですか。

 バイオ、機械、化学など、さまざまな技術領域のスペシャリストとネットワークを構築。その道をきわめたプロたちの力を借り、技術を評価してもらう仕組みをつくりました。
 私が目をつけたのは、おもに大企業の技術部門で功績をあげ、優れた経験や知見をもっている優秀なOB人材。現在、協力者数は600名以上にのぼります。

―技術評価・特許評価における実績を聞かせてください。

 技術評価書だけで数千件、個別の技術や特許ごとにカウントすれば数万件以上の技術評価・特許評価を行ってきました。産業技術総合研究所が独立法人化する際、同研究所の約2万件にのぼる保有特許を棚卸して、再評価したのも当社です。
 また、省庁や自治体関連では、科学技術振興機構関連の補助金審査業務の支援、大分県や鳥取県、北九州市が実施しているビジネスコンテストの審査支援なども行っています。

―ビジネスマッチングでの実績を教えてください。

 最近は、地方銀行が地元企業の成長支援のために行っているビジネスマッチングを支援するケースが増えています。いち早く高い成長性を有する企業を発掘し、それを育てることに注力しています。

地方の有望企業にファンド投資で資金支援

―そのほかに強みはありますか。

 投資ファンドを活用し、地方活性にお役立ちできる点だと自負しています。
 茨城県が組成し、当社のベンチャーキャピタル子会社であるベンチャーラボインベストメントが運用をまかされている「いばらきベンチャー企業育成ファンド」が投資し、今年3月に東証マザーズに上場した、筑波大学発ベンチャーで医療用ロボットスーツメーカーのサイバーダインがその代表的な事例です。
 創業期の同社は、医療ロボットというすばらしい技術を開発したものの、ファイナンス実績や販売実績がなかったため、成長資金の確保に苦慮していました。そこで同ファンドが投資することでファイナンス実積をつくるとともに、茨城県に同社の医療ロボットを30台買い上げ、それを県内の公立病院などに無償で配布する政策プランを提案。その実現により、販売実積ができただけではなく他県の視察が増加し、サイバーダインの製品が一躍、全国に知られるきっかけともなりました。一昨年には福島復興を支援する「ふくしま成長産業育成ファンド」も立ち上げ、福島県下の企業の成長支援も行っています。

―今後の目標を教えてください。

 技術から経営支援までを、オールジャパン体制で成長ベンチャーを支援できる体制を構築することです。現在、その実現に向けて着々と準備を進めています。
 役人時代に痛感したことですが、役所には民間の生の声が届きにくい。実効性のある政策立案につなげてもらうため、そうした現場の「声なき声」を中央省庁や地方自治体に届け続けることも、ベンチャーラボの重要な使命だと考えています。

山中 唯義(やまなか ただよし)プロフィール

1956年、兵庫県生まれ。1980年、大阪大学工学部を卒業し、通商産業省(現:経済産業省)に入省。新エネルギー・産業技術総合開発機構、日本輸出入銀行などを歴任。技術系行政官として活躍し、1998年に退官。翌年に株式会社ベンチャーラボを設立し、代表取締役に就任。大阪大学客員教授を務めたほか、環境・産業・技術評論家として執筆や講演活動でも活躍。

株式会社ベンチャーラボ

設立 1999年3月
資本金 2,000万円
事業内容 技術評価・知財評価、中小企業の事業性評価・成長性評価、広域ビジネスマッチングなど
URL http://www.venturelabo.co.jp/
お問い合わせ電話番号 03-6264-1861(平日9:00~18:00)

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